「浮力」の実験ではある高さの気圧差を測定して浮力を計算してみたが、このデータを使えば空気の密度もわかる。
どういうことかというと、ある面にかかる気圧というのはその面の上に乗っかってる空気の重量に上から押されることで発生するのだけれども、逆にある面Aの気圧PがわかればP × Aでその面の上に乗っかってる空気の重量を求めることが出来るからだ。
具体的に計算してみよう。今回は「浮力」の実験で取得した気圧データをそのまま使って空気の密度を計算することにする。
まず台の上での気圧は
1016.7265hPa = 101672.65 N/m2 = 10,374.7602 kgf/m2
であった。面積1 m2の上に10,374.7602 kg(約10 t !)分の空気が乗っかってるということになる。下図でいうと濃緑の面が1 m2として、薄緑の部分(上空遥か彼方まで続いてる)にある大気が10,374.7602 kgということ。
一方で台の下では
1016.7481hPa = 10,374.9806 kgf/m2
であり、10,374.9806 kg の空気が乗っかってる。
(濃青の面と薄青の部分)
その差は 0.2204 kg。台の上と下で何が違うかと言えば図の斜線部分にある空気の存在である。つまり、この斜線部分にある空気の重さが0.2204 kgということ。
空気の重さがわかったから、体積で割ってやれば密度が計算できる。台の高さが20 cmだから、
空気の密度 = 重さ / 体積 = 0.2204 kg / (0.2 m × 1 m2) = 1.1020 kg/m3
と計算される。
では実際の空気の密度と比較してどうだろうか?実際の空気の密度は(気温、気圧、湿度などの条件によるが)1.2 kg/m3くらいのようなので、今回の結果はなかなかよい精度でできていたらしい。